将棋の話題 第5局
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第60回 NHK杯テレビ将棋トーナメント 準決勝第2局

http://cgi2.nhk.or.jp/goshogi/kifu/sgs.cgi?d=20110320

 第60回 NHK杯テレビ将棋トーナメント 準決勝第2局 丸山忠久九段 対 糸谷哲郎五段の対戦は39手という短手数で先手の糸谷五段が勝利した。下図は後手の丸山九段が△8九角と打った局面であるが、ここで糸谷五段から意表を突く一手が放たれた。

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28手目△8九角まで

 29手目、糸谷五段がこの局面で放った手は▲9五角であった。この手はGPS将棋でも最善手として候補に挙げられた手でもあるが、解説の谷川浩司九段も直ぐには気が付かない意表を突く好手であったようだ。ただGPS将棋の形勢判断ではこの一手でいっぺんに形勢が良くなったとは評価しておらず、評価値[18]で互角の形勢だという事らしい(検討する毎に値は異なる)。

[18]  ▲9五角打△8八歩成(87)▲同金(78)△同飛成(86)▲同銀(79)△6七角成(89)▲4八玉(59)△6二銀(71)▲2六飛(27)△7八馬(67)▲6五桂(77)△8八馬(78)

 下図は33手目、糸谷五段が▲6五桂と跳ねた局面であるが、ここで丸山九段は△4二金打と金を一枚使って受けに回った。どうやらこの一手が痛恨の疑問手で、ここは△6四歩が最善の受けであったようだ。これなら評価値[-124]でまだまだこれからの将棋であったとGPS将棋は形勢判断している。 

[-124]  △6四歩(63)▲2八飛打△6九と(78)▲同玉(59)△2三歩打▲6四角(86)△6三金打▲5三角成(64)△同金(63)▲同桂(65)△同玉(52)▲7八銀(79)△同角成(89)▲同玉(69)

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33手目▲6五桂まで

 そして丸山九段の△4二金打(疑問手)が指された直後の35手目、糸谷五段の止めの一手が炸裂する。この一着で勝敗が決したと言っても良いだろう。

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34手目△4二金打まで

 上図の局面から放たれた勝敗を決する一着は▲2八飛打。この手を見た瞬間、丸山も負けを覚悟したであろう。GPS将棋の形勢判断でも評価値が一気に1000を超えた(検討する毎に値は異なる)。対局者の丸山九段と解説者の谷川九段の名人経験者ですら直ぐには閃かない手が一瞬で見えたようである。29手目の▲9五角、35手目の▲2八飛打。糸谷五段の直感が冴えわたった一局であった。

[1129]  ▲2八飛打△7九と(78)▲2二飛成(27)△同金(32)▲5三桂成(65)△同金(42)▲2二飛成(28)△4二銀打▲4一銀打△同玉(52)▲5三角成(86)△3一銀打
2011/03/22
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